はじまりのはじまりの物語

私は大阪市生まれの大阪市育ちである。田園風景を見て故郷を感じた事は田園都市三田市に移り住んで早14年であるが、まだ一度もない。排気ガスたっぷりの大阪駅の駅前に立つと「は~。故郷の臭いじゃー」と思う始末。育つ環境というのはその人の中に根付いてしまうから恐ろしい。そんな私だけど、幼い頃から生き物が大好きだった。犬猫は飼えない、と言われ続け虫や爬虫類を飼うしかなかった。ダンゴムシを何時間も見つめていられる少女だった。そんな遺伝子は長男にしっかりもっと色濃く受け継がれる事になる(笑)

田舎暮らしにあこがれた事なんか無かった。怖そう、めんどくさい風習ありそう、村八分に合うのでは?!とネガディブなイメージしかなかったのに、どうしても「農」を中心にしたスクールを立ち上げたくなったから困ったものだ。土を触って、太陽を浴びて、汗をかいて怒ったり、笑ったり、美味しい物を食べていたら元気になった。小学校6年生の頃から少しずつ不登校になり、中学校は3日通って終わった長男は今も元気に遠く離れた九州の地で土に触れて動物に触れて、人にもまれて元気に逞しく生活している。

息子が学校に行かなくなって二次障がいの暴言暴力が無くなり、自己肯定感も否応なしに上がって行くのを目の当たりに見ると、自分の子どもだけがうまく行けばそれで良いのか?という疑問が頭をもたげてくる。子どもは経験が足りず、何も知らないように見えて、大人が失った色々な感性や感情を持ち合わせた素晴らしい先生である。

便利で綺麗で一見素晴らしいように見えるお惣菜や冷凍食品たち。

この食、というのは私達の血となり肉となり、魂になるもの。ここがきちんとしていないと、体や精神がむしばまれる。何をどう選んで、どう調理したら美味しく頂けるのか。この知識が無いと、勉強が出来ても、畑に来て一瞬元気になった気がしても、続かないと「生きる力」にはならないのである事も実感している。


そして、「日本」という国。良くも悪くも真面目な国。真面目な国民性が作る世界一安全な街は確実に世界に誇れるものである。けど、「こうで無ければならない」も強いのもまた事実。そんな日本にどうしても合わない人も沢山いる。私の身近な身内も日本に住んでいない。私も嫌になって渡英した口である。生きづらいな、と思ったら日本を離れてみるのもお薦めだ。外から日本を見る事で日本が好きになる事もあるし、訪れた国が自分にピッタリで住み続ける事もあるだろう。自分がどこの国の何にフィットするか、なんて分からない。地球人として思いっきり一度しかない人生を「地球人」として楽しめる子どもで、そして大人であって欲しいと思う。その自信ときっかけに、このSproutがなれたらこんなにうれしい事はない。


スクールで使わせて頂く畑。

SPROUT オルタナティブスクール

兵庫県加東市平木に2023年オープンのフリースクールです。 「農」「食」「国際的な感覚を身に付ける」の3本柱で運営します。 対象年齢は小学生から中学生の義務教育年齢の子ども達です。私たちは2008年より三田市で子どもを中心とした英会話スクールを運営してきました。グレーと言われる発達障害を持った息子をきっかけに、学校に居場所が無い子ども、行けない子ども達の場作りを始めます。

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