不登校について考えてみました。
不登校と聞いて皆さんはどんな事を思うのでしょうか?
我が家の長男が不登校になるまでを文にしてみました。長くなりますがお付き合い頂ければ幸いです。
私の長男が不登校になったきっかけは学校での配慮が得られないから。でした。長男はディスレクシアです。読んだり書いたりする事に苦手があります。読み書きは勉強の入り口です。読み書きが他の子の様にスムーズに行かないのは、知的能力の低さや勉強不足が原因ではなく、脳機能の発達に問題があるとされています。そのため発達障害の学習障害に位置づけられています。診断がおりたのが小学校2年生の終わりでした。同時にADHDであるとの診断もおりて、「ああ、良かった。これでこの人の育てにくさや学校での難しさの原因が分かった。後は学校が何とかしてくれるだろう。だって彼らは教育のプロだから」と思って安心していました。しかし3年生。厳しい先生にあたってしまい、診断書も療育手帳もどこ吹く風。本人がどんなに特別支援級を熱望しても親が熱望しても「息子さんはやれば出来る人です。大丈夫です。私にお任せください」の一点張り。頑張れば綺麗な字も書ける息子ですが、実はきちんと診断が付いている子に一線を越えて頑張らせる事は「命を削って頑張っている」という事をこの時は知りませんでした。学校の先生がそういうのだから間違いない。と思っていました。そしてついに二学期。息子から出た「学校に行きたくない」宿題も2時間、3時間と掛かります。他の子より量を減らして貰っても凄く時間が掛かります。「量を減らして貰ってるのだからここだけはきちんと終わらせないと。やらせるのが親としての責務だ」と思い込んでいました。その宿題をやっても得られる知識は全くなく、息子が得るのは自分は出来ない奴だと繰り返し思うだけなのに。
親子で泣きながら夜の10時まで頑張っても宿題が終わらない。途方にくれました。そしてそんなに頑張って終わらせても翌日息子は宿題でその字を書いた事すら覚えていない、というのです。あの長時間の苦しみは何だったのか・・
もう宿題なんてしなくていい。主人の国のイギリスはそもそも宿題なんてない。なのに日本の大学よりイギリスの大学の方が世界の大学ランキングは上だ。一体日本の宿題は何の為にあるのか?そもそもディスレクシアの彼が何度も漢字を書いたとて、書く事で脳には定着しない!LDはLearning Disabilityと書いて学習障害だと思っていたけど,Learning differently、一般的な学び方では学習出来ないが、違うメソッドで教えると学べる子どもである、とイギリスを中心に海外のディスレクシアの子ども達がどのように学んでいるのか色々勉強した中で知りました。「もう学校に行くのはやめよう。これからは放課後デイサービスを中心にホームスクーリングにしよう」と思い、いつも週一で通っていた放デイの先生に「もっと放デイに行きたいがどうしたらいいか?」と相談しました。そしたらすごーく叱られました。息子が学校でそんな扱いを受けて、通級にすら通わせてもらっていないのは人権侵害である、と。学校が無理です、と言ったら「そうですか。わかりました。」とは何事か。母親である私が息子の利益の為に今立ち上がらなかったら、いつ立ち上がるのか。最後に息子を守れるのは親だけ。傷ついた息子がこの先、もし自殺してしまったとしても、結局学校の先生なんて気にも留めない。死ぬほど後悔するのは親のあなたなのよ!と。
学校の先生に物申すなんて出来ない、と思い込んでいました。そんな事するなんてモンペみたいだと。でもモンスターにでも何にでもなって息子を守れるのもまた、親だけなんですよね。何度学校と話しても「予算がない。人員が居ない。」日本語が覚えられないのは我が家が二か国家庭だからでは?イギリスに帰る気がないなら家庭内で英語を話すのは辞めたらどうか?色々学校の制度を変えたいと思われるなら政治家にでもなられたら如何か?とまで言われ、悔しくて泣きました。あれだけ息子は支援の要らない子どもだ。こんな症状がマイルドな子には人員を割けない、と言って居たのに、この事で一度弁護士の先生に学校に話して貰うと、直ぐです。直ぐに手のひらを返しました。「来年から通級に通えるようにしますね」と。しかし週に1回、2回、通級に行ったからと彼の読み書きの支援は一行に始まりません。「お母さん、どうしたら良いでしょうか?」と。それを考えるのが学校の仕事だと思っていたのに・・
ディスレクシアとは何か?そういった子にどんな支援が必要で、支援を実際に行ってる自治体の例なんかをプリントアウトして持って行くも「前例がない事は出来ない」とICT機器もタブレットを持って行く事も許可されず。
最終的に5年生でタブレットを許可されるも、うまく学校で使いこなすことも出来ず、結局6年でオルタナティブスクールを見学した事でそこに行ったり学校に行ったりをしながら、中学の教育相談でも「支援はしません!」なんてきっぱり言われちゃったりして、後で謝罪に来る、という「もう学校には来ない方が良いよ」というメッセージを送られた感じで小学校を卒業。コロナで学校が無くなってしまった事で、オルタナティブに気持ちよく通える環境が出来て中学校は三日行ってみただけで終了となりました。
この休校期間もディスレクシアとは何か、という事を担任の先生に沢山説明して、先生から全校の先生にレクチャー頂き、結局息子は行きませんでしたが「こういう子がいるよ。こんな支援が必要だよ」という啓発にもなったのではないかと思っています。
まだまだLDの教育法が確立されていない公共教育。心を病んでまで行く所ではない、全然行かないのはありだ。と心から思いました。いつか戻ってくれたらいいのにな、と思う事もありません。我が家のケースですが気持ち良いくらい色々と裏切られて、気持ちよくオルタナティブスクールに行く事が出来ました。
しかし、下2人の息子は現在公共教育に在籍しています。LDではない、というのは大きいですね。しかしやっぱり矛盾しているな、と思う事やブラック校則に代表されるような「理由の無い規則」には従わなくて良い、といつも言っています。「規則だから」「ルールだから」従わなくてはいけない、と思っている日本人のなんと多い事か。理由なき規則は虐待だと思います。身体的な暴力でもあると思います。
お子さんが不登校になるきっかけは千差万別です。しかし子供が学校に行きたくない、と言ったら「行かせない」「行かなくても大丈夫だ」と思える勇気を親がまず持たなくてはいけません。でもね、持て、と言われたからと直ぐにそう考えれる人は少数なんじゃないかな、と思うんですよね。私なんか3~4年掛かりました。宿題をしなくてもいい、というステップを踏んで。そして「行かなくても大丈夫だよ。うちの子も行かなかったけど、ほら。今はこんなにイキイキ楽しくしているよ」と少し先輩の親に話が聞ける、相談出来る、という「親の会」の存在も欠かせません。元気な子どもは元気な保護者の元から生まれます。
私が発達凸凹児の育児をしてきて辛かった事、寂しかった事、苦しかった事を基に~発達凸凹ママたちのおしゃべり会~のびジュリを設立。苦しい立場のお母さん達を何とかしたい!大丈夫だよ!って支えたい!と思ってるうちにコロナ禍が始まり不登校の子ども達が爆増。もう引きこもってしまった子ども達の顔を見たら居ても立っても居られませんでした。
とにかく家庭と学校以外の居場所を作りたい!という思いと、何とか疲れている親の方にも元気を取り戻して欲しい。そのままで大丈夫。と自信を持って子育てをして欲しい。躓いた時には相談出来る安定の場所があればな、と思っています。
不登校、なんて言葉、無くなれば良いのにな。息子もちゃんとオルタナティブスクールに通っている訳だし。通信制の中学。ホームスクーリング。学びのスタイルは無限大。制度も支援も無いので、まだまだですが、一歩づつ子どもをハッピーにしたい!という熱い大人達と一緒に不登校という単語が無くなるまで行動して行きたいです。
応援宜しくお願い致します。
0コメント